ビットコイン 通貨と同じ位置づけに。 取得時、消費税課さず

日経新聞2016年(平成28年)10月12日(水)の記事より。

仮想通貨について税制改正が入るという話です。

 

財務省と金融庁は、ビットコインなどの仮想通貨を買うときにかかる消費税

2017年春をメドになくす調整に入った。

 

仮想通貨を、モノやサービスでなく「支払い手段」と明確に位置づける。

 

事業者の納税事務がなくなるほか、利用者は消費税分の価格が下がって買いやすくなる。

仮想通貨が「お金」としての存在感を増すのは確実だ。

 

年末の与党の税制調査会での議論を経て、正式に決定する。仮想通貨はネット上のみで存在する通貨で、ビットコインが最も多く流通している。

 

現在は専門の取引所でビットコインを購入する際に8%の消費税がかかり、利用者は手数料などとともに支払う。

非課税になれば、購入時の消費税分の価格が下がるほか、事業者が消費税を税務署に納める手間もなくなる。

「務的な作業が大幅に減り、ビットコインの取引にかかる作業が円滑にできる」(大手のビットコイン事業者)との声がある。

 

主要7か国(G7)でビットコインに消費税を課しているのは日本だけで、金融庁は今夏の税制改正要望で、仮想通貨が消費税の対象かどうかをはっきりさせるよう要求していた。

 

今年成立した改正資金決済法では、これまで法的な規定がなかった仮想通貨をプリペイドカードなどと同じ「支払い手段」と定義づけた。

財務省は同法の定義に沿って、仮想通貨を非課税にする方針だ。

 

 

仮想通貨の利用に拍車がかかる税制改正が入りそうです。

 

ビットコインを使える店舗は国内でかなり増えており、

国内で取引所を運営するレジュプレス(東京・渋谷)によると、日本で買い物や飲食の支払いとして利用できる店舗は9月時点で約2500店。

 

昨年同時期と比べて4倍まで増えたとのこと。

 

 

ビットコインを使うメリットとしては、

①送金手数料がほぼゼロであること

②海外でも法定通貨を両替せずに使えたりすること

があります。

 

今回の消費税の非課税化を機に、決済手段の「通貨」としての利用者の増加に弾みがつきそうですね。

 

 

注意点としては、仮想通貨のビットコインは常に価格が変動しているため

(現在は1ビットコイン=約6万4千円だが、8月上旬は同5万4千円だった)

仮想通貨の売却益に所得税がかかる点は変わらないという点です。

※あくまで非課税になるのは消費税のみ

 

改正の詳細は、年末の税制改正大綱をみないとわかりませんが、

ビットコインを利用する場合は、今年と来年とで適用される税制が異なる可能性がある、という点は注意が必要ですね。

 

参考【ビットコインと通貨の特徴】

 

通貨(円)   仮想通貨(ビットコイン)
国、日本銀行 管理者 なし
主に日本国内 使える場所 世界中の取扱店舗
海外送金の場合は数千円 送金手数料 一律数円
銀行口座や財布 保管方法 取引所口座や電子財布
課税されない 購入時の課税 現在は消費税がかかる
銀行口座に預け

れば金利がつく
その他 価格の変動が大きく、

投資の対象になりやすい
 

【ビットコイン】

インターネット上で最も多く取引されている仮想通貨で、現在の時価総額は約100億ドル(1兆円)。市場全体の8割を占め、利用者は世界で1300万人以上と、この2年間で3倍に増えた。日本では数十万人が利用しているとされる。

 

 

(了)

 


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