日本経済新聞 2016.7.15.の記事より。
働き方の改革方針が、政府より発表されました。
今後の会社における人事・労務の方向性、雇い方、給与設計などに大きな影響を与える改正になります。
経営者は絶対に知っておくべき項目が盛りだくさんとなっています。
以下、記事より抜粋します。
財務省と厚生労働省が経済対策の目玉として盛りこむ働き方改革の原案が14日、分かった。
残業時間に上限を設けるなどして長時間勤務を抑制するとともに、
最低賃金の20円超引き上げや雇用保険料の大幅な引き下げで働き手の所得を増やす。女性や高齢者など働く人の裾野を広げつつ、働き方改革に取り組む企業も支援し、経済成長を底上げする。
残業時間は、厚労省が有識者による検討会を設け、一部業種に上限を設ける。
勤務時間が不規則だったり、公益性の高いサービスを手掛けたりする業種は外し、企業活動への影響を避ける。
企業が従業員に残業を命じる場合、労働時間の超過理由を明示した「36協定」を労使で結ぶ必要がある。
特別条項を付ければ無制限で残業できるが、特別条項を付けた場合でも上限を設ける方向だ。
労使が折半する雇用保険料は来年4月から数年にわたり、過去最低水準に引き下げる。
過去最高の6.3兆円に積み上がる雇用保険の積立金を活用。
現在報酬の0.8%の保険料率を労使が半分ずつ負担するが、政府は会社員などの負担を0.2~0.4%引き下げる方向で調整する。年内に引き下げ幅を固める。
引き下げで、会社員が負担する雇用保険料は年3400億~6800億円減る。年収400万円の会社員なら0.2%下げで年8000円程度の負担減となる。
雇用保険を財源に収入を補償する育児休業は、期間を現行の1年半から2年間程度に拡大する。
最低賃金では、政府は早期に時給1000円に上げる方針。
首相も今年は前年比3%の引き上げを求め、経団連も3%に当たる約20円上げを容認する構えだ。
生産性向上の目的で投資する中小企業に補助金を増額するなど、負担増となる企業に配慮する。
女性や高齢者の就労支援策では、社会保険料の労使の負担を軽減する。
年収130万円を超すと、年金や医療の保険料で個人負担が年間20万円近くかかる。
多くの人が「130万円の壁」として労働時間を抑えるため、企業への助成金を増額し、賃金を増やせるようにし、個人の負担感を緩和する。
具体的には従業員1人に20万円出す助成金の対象人数を現行の15人から増やす。同じ仕事なら同じ賃金を支払う「同一労働同一賃金」では年内に指針を作り、どんな待遇を不合理とするか判断基準を示す。
個々の働き手の能力を引き出すには、労働時間ではなく成果に賃金を払う「脱時間給」制度の早期実現が不可欠。導入されれば、より柔軟で効率的な働き方が期待できる。解雇の金銭解決も議論は停滞。厚労省は不当解雇のケースで導入を検討中だが、一段の人材流動化を促すには通常の解雇にまで広げる必要がある。
どうでしょうか。
改正法の施行は早ければ来年年明けになりそうです。
年内には、人事・労務の方針を一度は検討しておく必要がありそうですね。
特に残業に規制が入ったり、会社の負担が増える項目については、
資金繰りや会社の売上に直接影響がありますので、しっかりどのような改正が行われるのか
知っておかなければなりません!
特に助成金項目については、使えればそれにこしたことはないので合わせて確認しておきたいですね!
(了)