週刊税務通信 2016.8.1の記事より。固定資産税の評価方法の見直しが検討されているという話です。
固定資産税においては課税誤りにより納税者に税額を還付するケースが後を絶ちません。
総務省は重大な課税誤りが依然として絶えない状況にあるとして、
各都道府県に課税事務の検証等を促す通知を出しているとのこと。
こうした状況のなか、固定資産税の評価方法の見直しに関する検討が進められています。
大きなポイントは、
建物の評価方法について、
・従来の再建築価額方式(今、この建物を建てたらいくらかかるか、構造、材料等を基に金額を積算していく方法)
から
・取得価格方式
納税者が申告した取得価格を基礎に取得後の経過年数に応じた減価を考慮して評価する方法(ようするに簿価ということですね)
又は
・広域的比準評価方式
都道府県等の一定の地域内にある家屋について、実態に応じて構造、程度、規模等の別に区分し、区分ごとに標準とすべき家屋を標準家屋として定め、それに比準して評価する方法(これは自力で評価するのは難しいです)
への検討が進められているということ。
各評価方法のメリット、デメリットは以下のとおり。
方式 | メリット | デメリット |
取得価格方式 | ○評価事務の簡素化 ○納税者への説明の簡素化 |
○在来分家屋との整合性を図るのが困難 ○個別の事情が大きく評価の均衡が保たれない |
広域的比準評価方式 | ○評価事務の簡素化 ○広域的な評価の均衡の確保 |
○在来分家屋との整合性を図るのが困難 ○対象家屋が類型化しやすいものに限定される |