10月1日から消費税の課税対象区分が変わったという話です。平成27年11月2日(月)の日経新聞より、「電子書籍・音楽…海外発も消費税対象に」について。
海外事業者から日本に向けてインターネットを通じて配信される電子書籍や音楽などに対し、平成27年10月1日から消費税が課税され始めた。これまでも国内事業者の役務(サービス)には課税されており、国内外事業者の競争条件の不平等がようやく是正された。だが海外事業者からは徴収漏れの恐れがあるなど問題も残っている、
とのこと。
一例をあげるとこうなります。
<従来>
①㈱PSPが、海外の電子書店A社から電子書籍を購入する
②㈱PSPは、本体価格2,000円+消費税ゼロ円=2,000円をA社に支払う。
③㈱PSPは、仕入れた電子書籍を使ったサービスを日本国内の消費者に提供する
(提供価格:本体価格2,500円+消費税200円=2,700円)
④㈱PSPが納める消費税額は、
受けとった消費税額200円-支払った消費税額ゼロ円=200円
<平成27年10月1日以降>
①㈱PSPが、海外の電子書店A社から電子書籍を購入する
②㈱PSPは、本体価格2,000円+消費税160円=2,160円をA社に支払う。
③㈱PSPは、仕入れた電子書籍を使ったサービスを日本国内の消費者に提供する
(提供価格:本体価格2,500円+消費税200円=2,700円)
④㈱PSPが納める消費税額は、
受け取った消費税200円-支払った消費税160円※=40円
※ただし、支払った消費税を引けるかどうかは、海外の電子書店が「国税庁に登録」していることが条件であるためこの確認が必要になる。
よって消費税の計算上、10月1日以降は取り扱いが異なるため、会計処理における課税区分に注意が必要です。
それにしても、税制って本当に複雑ですよね。
比較的簡素な現行消費税ですらこんな感じですから、軽減税率なんて導入されたらどうなるんでしょうね。
経理や総務など現場の業務効率が下がるから、結局各事業所の利益率が下がって、法人税等の税収が下がり、まわりまわって国に跳ね返ってくると思うんですけどね。
とにかくわかりやすい税制を求めます!
(了)