法人⇒個人へ名義変更「低解約返戻金タイプ」保険に注意!

平成28年3月28日週刊税務通信より。法人から個人へ名義変更した「低解約返戻金タイプ」保険に注意!

 

経済的利益の額としての評価が不合理なら給与課税の可能性も。

 

外資系の生命保険会社が中心になって販売する「低解約返戻金型逓増定期保険」の税務上の取り扱いが問題になっている。

この保険商品最大の特徴は、大幅に変動する「解約返戻金」の返戻率。

一例として、契約から一定期間中は払込保険料の20%程度に抑えられている一方で、一定期間経過後は払込保険料の90%以上にまで跳ね上がるものもある。

 

問題となるのは、「解約返戻金」が低額に設定されている期間に、契約者を法人から個人に名義変更したケース。

所得税基本通達で36-37<保険契約等に関する権利の評価>によれば、

 

名義変更した場合の保険契約の権利の評価は、「解約返戻金の額」

とされている。

 

しかし、この保険商品の性質を踏まえると、名義変更時の解約返戻金の額が、個人の受ける経済的利益の額として評価することが不合理とされる可能性がある。

 

そもそも所得税基本通達の取り扱いは、法令を前提として、基本的な課税上の取り扱いを明らかにしたものである。

所得税基本通達36-37<保険契約等に関する権利の評価>についても、「低解約返戻金型逓増定期保険>などといった保険商品を念頭に置いているとは考えにくい。

そのため、形式的にはこの通達にしたがった形で課税の処理を行っていても、個別の事実関係によっては、個人の受ける経済的利益の額の評価として合理性があるものとは言い切れず、税務上否認されるリスクが生じる恐れがある。

 

過度な節税に走りすぎて、物事の本質を見失わないようにしたいところですね。

(了)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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