週刊税務通信2016.7.11より。
糖尿病や高血圧等の生活習慣病には温泉療法(いわゆる湯治)も一定の効果が期待されるようだ。
そのため、医師の判断で温泉療法を受けた場合、一定の要件を満たしていれば温泉施設の利用料等を医療費控除の対象とすることができる
(国税庁「温泉利用型健康増進施設の利用料金の医療費控除の取扱いについて」)。
主な要件には、
①「温泉利用型健康増進施設」で温泉療法を受けていること、
②「温泉療養証明書」を発行してもらうこと
等がある。
①温泉利用型健康増進施設とは、温泉利用を行う施設と有酸素運動を安全かつ適切に行う施設が一体となって運営されている施設で、医療機関と提携していること等の条件をクリアしたとして厚生労働大臣に認可されたもの。
平成28年7月14日時点では全国に20か所設置されている。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/undou04/02.html
※私のオフィスのある京都にはありませんが、近畿圏だと兵庫、和歌山にあります。
また、
②温泉療養証明書については、認定施設及び温泉療法を行わせた医師に作成してもらう必要がある。
ただし、療養期間が1週間未満の場合には作成してもらえない点が注意。
なお、平成27年度の温泉療養証明書の発行件数は約80件とのこと。
患者は、確定申告書に温泉療養証明書と利用料金に係る領収書等を添付して所轄税務署に提出する。
控除対象となる金額は施設利用料及び往復の交通費をその他の医療費と合算したものとなる。
ちなみに、厚生労働大臣の認定を受けた「指定運動療法施設」を医師の指示で利用した際にも、その利用料及び往復の交通費を医療費控除の対象とすることができる。
この施設は一部のフィットネスクラブ等が該当し、
平成28年7月4日時点では全国に198か所設置されている。
温泉療法と同様、申告時に「運動療養実施証明書」及び領収書等を税務署へ提出する必要がある(国税庁「指定運動療法施設の利用料金に係る医療費控除の取扱いについて」)。
あくまで「治療のため」でなければなりませんが、特に年配の方は、温泉に行く前に要件を確認しておくと良いかもしれませんね。
税理士としても、クライアントとの会話の中で、「湯治」という言葉が出てきたら注意が必要となります。
(了)