災害措置と九州豪雨と税制改正

平成29年7月17日 税務通信より。

 

先般発生した九州豪雨では、土砂災害や川の氾濫等により、1,800人超が非難を余儀なくされているという。

被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。

 

近年の相次ぐ異常気象により、大規模な自然災害が多発している。

 

今までは、こうした大規模な自然災害が発生した場合、税制措置は個別に設けられてきたが、

平成29年度の税制改正により、常設化されるようになった。

 

常設化された主な災害関連措置は、以下の通り。

 

・災害損失の繰り戻しによる法人税の還付

・住宅取得等資金の贈与の非課税特例

・非上場株式等に係る相続税・贈与税の納税猶予の特例

 

など

 

例えば、

・住宅取得等資金の贈与の非課税特例

の場合、

震災や、風水害、火災などの災害全般により被害を受けた一定の者が、対象になっている。

 

 

ところで、常設化された災害措置のうち

消費税の届出等に関する特例の適用対象者については、「特定非常災害」の被災者に限定されている(措法86の5①・③)。

現段階では、九州豪雨は特定非常災害に指定されていないため、本特例は適用できない。

 

いずれにしても、この災害特例の税制が常設化されたということは、

大規模な自然災害という本来であれば滅多におこらない事象が、

日常的に起こるということを、税制上も認識しているということであり、

複雑な気持ちですね。

(了)

 

 

 

 

 

 


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