日本経済新聞平成28年5月25日(水)の記事より。
運用成績によってもらえる年金額が変わる「確定拠出年金」の加入対象者を、実質的にすべての現役世代に広げる改正確定拠出年金法が24日成立した。
来年1月から加入対象となる公務員や主婦らの取り込みに向け、金融機関も動き出した。
確定拠出年金には会社単位で入る「企業型」と個人で入る「個人型」がある。
対象が広がるのは個人型。
これまでは自営業者や企業年金がない会社の社員らだったが、主婦や公務員が加わる。
すでに企業年金に入っている会社員も併用して使えるようになる。
野村総合研究所は主婦と公務員だけで最大400万人が個人型に入るとみる。その場合、資金流入額は年4800億円に達するという。厚生労働省は今回の法改正で「少額投資非課税制度(NISA)並みの加入をめざしたい」(幹部)と期待する。NISAの加入者は約千万人。確定拠出年金の加入者は現在約500万人。
現在の2倍に膨らむとみる背景にあるのが大きな節税効果だ。
これはなかなか、面白い改正内容だと思います。
確定拠出年金というのは、掛け金の「全額」が「所得控除」になります。
いわば自分の将来の年金を節税しながら積み立てができるという仕組みですね。
同じようなものとしては、民間の個人年金保険が該当しますが、
これは掛け金の上限が5万円と小さいのに対し、これは「全額」控除できます。
そして、今の所得税というのは非常に節税対策が難しく、ふるさと納税が(これは節税というものではありませんが)あれだけ話題になるのも、他に節税をする手段がないからなんですよね。
そういう意味で、幅広い層に将来の年金の積み立てをしながら合法的に節税ができるというのは非常に大きい制度だと思います。
例示としては、
パートの収入などで年100万円の課税所得を稼ぐ主婦が月1万円ずつ積み立てると、
単純計算で年18,000円の所得税と住民税を節約できます。
年金の受取時にも退職所得控除か公的年金控除の対象になり税の負担を少なく受給できます。
来年1月~制度改正がスタートしますが、これは是非注目していきたいところですね!
(了)