日経新聞10月16日の記事から、「結婚・子育て贈与2,700件 今年4月~9月」について。
信託協会が10月15日に発表した結婚・子育て費用の贈与が非課税になる信託商品の受託状況によると、制度が始まった平成27年4月~9月までの契約件数は、2695件で契約額は63億円だった、とのこと。
知らない方のために、簡単に説明しますと、
お金を贈与すると、年間110万円を超えると贈与税がかかりますが、結婚・子育て資金については1,000万円までは贈与税がかからない、という制度が平成27年4月からできたんですね。
親にお金の余裕があり相続対策などが必要で、なおかつ子供の結婚や子育てにお金がかかるような家庭であれば検討の余地があるかもしれません。
ちなみに、対象になる結婚・子育て費用には以下のものがあります。
(国税庁HPより)
(1) 結婚に際して支出する次のような金銭(300万円が限度となるもの)
1 挙式費用、衣装代等の婚礼(結婚披露)費用(婚姻の日の1年前の日以後に支払われるもの)
2 家賃、敷金等の新居費用、転居費用(一定の期間内に支払われるもの)
(2) 妊娠、出産及び育児に要する次のような金銭
1 不妊治療、妊婦健診に要する費用
2 分べん費等、産後ケアに要する費用
3 子の医療費、幼稚園・保育所等の保育料(ベビーシッター代を含む)など
結婚費用については、上限があるので、芸能人のようなド派手婚の資金を贈与しようとしても、300万円までしかできません。
記事中の63億円を2695件で割ると、約230万円となります。
非課税の上限が1,000万円まであるといっても、なかなか上限まで贈与できるケースは難しいかもしれませんね。
1件当たりの金額が230万円というのは、まぁ妥当なところでしょうね。
ちなみに贈与したお金は、「信託」ですから、結婚・子育ての目的しか使うことができないし、お金を引き出すのに、いちいち領収書が必要であったりするので、贈与を受けた子供は、ちょっとお金はもらったけど使いにくいなんて思うこともあるかもしれませんね。
贈与税は、年間110万円までの非課税枠がありますから、わざわざ信託を使ってまで贈与する必要がないように思います。
記事では、若年層の子育てを後押しする動きが広がっていると締めくくられていますが、
これからの日本を支えていくのは、若年層ですから、もっともっと税制の後押しがほしいですね!
税は政策とともにありますからね!
直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の非課税
国税庁HP
https://www.nta.go.jp/taxanswer/zoyo/4511.htm
(了)