日本経済新聞 2016.9.1の記事より。
政府・与党は環境性能の高い自動車の取得や保有にかかる税を軽減する「エコカー減税」について、2017年春から対象車の燃費基準を厳しくする検討に入った。
同年春に期限が切れる減税措置を2年以上延長する一方、
対象車を絞り込んで、より燃費性能の高い車の普及を促す。
三菱自動車による燃費不正問題を受け、国土交通省や自動車業界が不正対策を徹底することを制度延長の前提とする。
12月にまとめる2017年度の税制改正大綱に盛り込む。
車に乗る人にはなじみのある「自動車税」についての話です。
・車を買うとき⇒自動車取得税、自動車重量税
・車検⇒自動車重量税
・毎年の保有税⇒普通車には自動車税、軽自動車は軽自動車税
というのがいわゆる自動車税ですが、
国交省が定めた燃費基準の達成度合いに応じた減税措置があります。
自動車取得税の減税である、いわゆる「エコカー減税」は、
燃費性能に応じて、20~100%の減税を受けることができます。
そのため自動車取得税の税収(16年度見込み)は、
エコカー減税導入前の08年度に比べ、2500億円減っています。
17年3月に期限を迎えるが、政府・与党は2年半延長する方向だ。
また、自動車重量税の減税である「エコカー減税」についても、
燃費性能により、25~100%の減税を受けることができます。
2015年度から適用している今のエコカー減税は、
普通乗用車の新車で8割が、減税の対象。
自民党税調は「今の技術からすればそれほど燃費性能が良くない車まで適用されている」とみて、対象車の絞り込みを進める方針。
自動車関連税制では、消費税率が10%に上がるのと同時に取得税を廃止し、燃費性能に応じた新税に移行することが決まっていますが、
消費増税が先送りされるため、自動車取得税の廃止も延期。
これに伴いエコカー減税も「新税移行につなぐための措置が必要」として延長が行われます。
自動車諸税は、税理士が計算する税目ではないので、税の専門家である税理士もあまりよく分かっていないケースが多いのですが、
燃費不正問題など、自動車の販売業界にも大きな影響を与える自動車税。延長が行われるのは業界にとってよいことでしょうが、自動車税の財源不足はどこで補われるのか。
都市部では車を持たない人も多くなっていますし、自動車税の減税の恩恵を受ける人のお金が、色々と世の中に回ればいいのですが。
(了)