日経新聞2016年3月4日(金)の一面記事より。
政府は日本の国内総生産(GDP)の7割を占めるサービス業の成長力強化に向けた包括的な対策を打ち出す。
安倍首相が4日に同分野の生産性の伸びを2020年までに現状の2倍に高める方針を表明する。日本経済の長期停滞は生産性の低さが原因と分析、GDP600兆円目標の達成へテコ入れが急務と判断した。
ずいぶん久しぶりのアップとなりますが、
「おっ」と思った記事が今朝の日経一面に飛び込んできました。
見出しは「サービス生産性 伸び2倍」。
労働生産性という言葉があります。
労働力に対する会社の利益のバランスをみていくもので、
労働生産性を検証するために、「労働分配率」ということばが会社の経営分析をする際にはよく使われます。
労働分配率とは、その会社が生み出した付加価値(≒限界利益(粗利益))に占める人件費の割合を表します。
<労働分配率の計算式>
労働分配率(%)=人件費/付加価値(または限界利益(粗利益))×100
この数値(%)が小さいほうが、生産性が高いということが言えます。
日本は労働生産性が、アメリカの半分以下とのこと。
生産性を高めようとすると、人件費を抑えるか付加価値を増やすしかないのですが、
今回の記事は、付加価値を増やすためのサポートを政府が行います、という内容になっています。
具体的には、
①補助金を新設⇒IT導入などを支援
②固定資産税を半減⇒設備投資を促進
③信用保証枠を拡大⇒資金繰りの円滑化
④人材の育成支援⇒技術力の維持
⑤ヘルスケア産業の規制緩和⇒新サービス
などが挙げられていますが、
注目すべきは、
①~③です。
①⇒中堅・中小のサービス業を主な対象とした上限額が500万円の補助金制度を新設
サービス業のIT設備投資を検討している会社は要チェック!
②⇒不動産はもちろん、設備投資後の負担が結構大きな償却資産税の負担減になるため、設備投資を検討している会社は、この減税の影響をチェック!
③⇒信用保証協会の保証枠について、現行の2億8千万円上限が、5億6千万円に。大規模な設備投資を行う会社は資金調達をしやすくなった
というところです。
労働生産性を上げたい、すなわち利益率を高めたい「サービス業」は要チェックですね!
(了)