役員退職金の功績倍率法の定義が初めて明文化

平成29年7月31日税務通信№3468より。

平成29年度税制改正で役員退職給与の改正が行われたことに伴い、

法人税基本通達等の改正が行われ

功績倍率法の定義が初めて明文化された。

 

 

ちなみに功績倍率とは、

適正な退職金を算定する際に使用する倍率で、

最終報酬月額×勤続年数×功績倍率=退職金

となる。

 

 

なお本改正では、通達では「功績倍率」を「役員の職責に応じた倍率」と示している。

ここでいう「功績倍率」とは、過去の判例等で示されている同業類似法人の功績倍率のみでなく、例えば、自社で設定した功績倍率等も含まれる、とのこと。

 

よって、これらを基に算定した役員退職給与についても、その金額が過大(不当に高額)でなければ、原則損金算入が認められる。

 

もっとも何をもって過大になるかというのは明示されていない。

 

実務的には、以前より、功績倍率法を用いて役員退職金の設計をしているところであり、今回の改正がさほど実務に与える影響は大きくないように感じられるところであるが、

一般的に

功績倍率は、

代表取締役   3.0倍

取締役・監査役 1.5倍

などを基準に決めているところが多いが、

社内で合理的な理由があれば、その幅を広げて功績倍率設計をしている会社も見受けられる。

この通達改正は、その幅を広げる柔軟性を後押しする改正という意味もあると思われる。

 

(了)

 

 

 

 

 

 


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