相続税対策で孫と結んだ養子縁組が有効かどうかについて争われた訴訟の上告審判決で、
最高裁第3小法廷は、
平成28年1月31日、「節税目的の養子縁組でもただちに無効とはいえない」との初判断を示した。
今回の最高裁のポイントは以下のとおり
①相続税の課税される人が増えている社会的背景があること
・2015年1月の税制改正で、相続税の非課税枠が一律3千万円、相続人1人当たり600万円に減った
②養子縁組は相続税の節税効果があること
・養子が多いほど相続税の税金計算上の控除額が増えて、節税につながる。
・特に資産多い場合、特に有効である(税率が10%であっても、60万円の節税効果がある)
③節税目的の養子縁組を後押しする判決であったこと
・相続税法では、「相続税の負担を不当に減少させる結果となる場合は、税務署長の判断で養子を算入せずに税額を計算することができる」と定めるが、
今回の最高裁判決により
節税目的であっても当事者の意思が確認できれば養子縁組が無効になる余地はほぼなくなった。
⇒従来の養子縁組に対する実務の考え方を後押し
今回の判決で、今後は節税目的で養子縁組するケースはさらに増えるものと思われます。
不動産や金融資産が1億円超ある方は、一度検討の余地はあると思いますね。
(了)