訪日観光客に対する消費税の取扱い

週刊 税務通信№3368より

年も明けましたが、私の事務所のある京都は相変わらず外国人の観光客が多いです。

今回は、そんな外国人にサービスを提供したときの消費税の取扱いについて。
以下、記事より。

訪日外国人の数が過去最高を更新している。
先日,国税庁は,
日本の旅行会社が,訪日旅行ツアーを主催する海外の旅行会社に対して、
日本国内の旅程部分に係る役務を提供する取引は、「輸出免税の対象にはならない」とする見解を
質疑応答事例で明らかにした。

消費税は,国内において事業者が行った資産の譲渡等に課されるものであり,本邦からの輸出として行われる資産の譲渡など輸出取引等については消費税が免除される(消法7)。

また,役務の提供のうち非居住者に対するものは一般的に輸出免税の規定の適用があるが,国内のホテルでの宿泊のようにその役務の提供を受ける非居住者が国内において直接便益を享受するものの提供については,輸出免税の対象から除かれている(消令17②七)。

質疑応答事例では,日本法人が海外の旅行会社に対して行う「国内における飲食,宿泊,運送等の旅行素材の組合せを企画し各種サービス提供機関を手配することにより,これを海外の旅行会社が確実に利用できるようにする」という役務の提供について,「国内において直接便益を享受するもの(消令17②七ハ)」に該当し,輸出免税の対象にはならないとした。

国内に所在する資産に係る運送又は保管及び国内における飲食又は宿泊に類するものであり,かつ,海外の旅行会社がこの役務の提供により直接享受する便益は,日本においてでなければ享受することができないものであるためだ。

この点,日本の旅行会社は,あらかじめ一定数かつ一定条件で各種サービス提供機関から,飲食,宿泊,運送等の役務の提供を受ける権利(=サービス利用権)を確保し,自らの企画によって組成された旅行パッケージ商品を販売するものであるから「本邦からの輸出として行われる資産の譲渡(消法7①)」に該当すると納税者側が主張した裁判があった。
しかし,東京地裁及び東京高裁でいずれも主張は棄却されている。

消費税法的には、当たり前といえば当たり前の裁判事例ですが、注意しておきたいところです!

(了)


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