平成28年12月8日(木)、来年度税制改正の読み解く上で、極めて重要な「2017年度税制改正大綱」が与党から発表されました。
ちなみに、税制改正大綱とは、
「税制改正」の内容や、今後の検討課題を盛り込んだ文書をいい、この与党の大綱に基づき政府も税制改正大綱を策定して閣議決定し、関連法案を国会に提出することになりますが、
基本的には、この大綱がそのまま来年度税制改正として施行されることになります。
平成29年度税制改正大綱
https://www.jimin.jp/news/policy/133810.html
税制は、政策と密接に結びついており、また人や企業の行動を変える力があります。
したがいまして、税制改正を読み解くということは、
・政府の方針
や
・今後予想される人や企業の動向
を読み解く重要な手がかりとなります。
ゆえに税制改正は、経営者にとって数ある法改正でもトップクラスに重要な法改正といえるでしょう。
さて、肝心の改正の中身ですが
全体的には、「小粒」な印象を受けます。
いくつかポイントを列記すると
<所得税>
・配偶者控除の年収制限を150万円以下へ引き上げ、年収1,120万円超の世帯主に所得制限
・NISAに非課税期間20年、年間投資上限40万円の長期積立枠を新設
・20階建て以上のマンションを対象に高層階の固定資産税を増税、低階層は減税、40階は1階より税額が10%高くなる
・住宅のリフォームで、所得税や固定資産税を減税する対象に耐久性を高める工事を追加
<法人税>
・企業主導型保育所の固定資産税や都市計画税を減税
・2%以上賃上げした中小企業に、給与総額の22%を減税
といったところです。
アンダーラインを引いた2つの改正がポイントかとは思いますが、配偶者控除の方はどうでしょうかね~。
社会保険の扶養の130万ラインが変わらない限り、うまく機能しないと思うのですが。
いずれにしても、2つとも「人件費」がからむ改正である、というところが重要です。
会社の経営者からすれば、どちらも経営において大きなウエイトを占めるものになりますし、
来年度は、人件費設計、給与体系(賃金規程)の見直し、採用計画など、
例年以上に税制改正を意識したほうがいいように思いますね。
(了)