滋賀·京都で必要な信託
「事業承継」「資産承継」において「信託」の有効性は別ページで述べた通りです。
滋賀・京都の地域性を考えると、「事業承継・資産承継」の対策は急務です。両地域における「事業承継・資産承継」の課題は大きくわけて二つです。「全国で最悪の廃業率」「不動産価格の高騰」です。
廃業率、滋賀県は全国1位!の衝撃
平成29年版の中小企業白書によると、滋賀県の「廃業率」は全国1位でした。実は27年度も滋賀県は全国ワースト、さらに京都は全国2位でした。近年、滋賀・京都は「廃業率の高さ」で常に全国上位なのです。企業の「廃業」は地域の税収を押し下げ、雇用環境を悪化させて地域の衰退に直結する問題です。「事業承継」がうまく進まない原因は、個別企業によって様々考えられますが、従来のやり方ではもはや「事業承継」がうまくいかなくなっていることを、実態が示しています。事業の承継不全と見える現状を解決をする切り札が「信託」の活用なのです。滋賀・京都における「事業承継」問題の改善は急務です。「信託」は、滋賀・京都両地域が直面している「事業承継」のリスクヘッジとなり、地域に根差してきた企業文化を守り、地域の雇用を守る切り札になります。
不動産価値高騰、底上げした滋賀と急騰する京都
長年続いた人口増による滋賀県の不動産価値の上昇
不動産価値が上がると、その高騰した資産を承継する側には「相続税の問題」が必ず浮上します。
その点、滋賀県は人口増と都市開発に伴い不動産価値が増大、現在まさに「資産承継」の問題に直面している人が増加している地域です。滋賀県の推計人口は50年前と比較すると1.5倍を超え(図1参照:滋賀県庁HPより)、JR沿線を中心に市街化が進み、土地の価格は右肩上がりに上昇してきました。特に南部エリアでは、数年前までその傾向が強く出ていました。象徴的な街が「JR南草津駅」(京都駅まで約20分、大阪駅まで約1時間)周辺です。このエリアはかつては田畑が広がる土地でした。区画整理事業によって街づくりが進められ、1994年には「JR南草津駅」が開業。その後、立命館大学びわこ草津キャンパスが開校し、若年層を中心にが一気に人口が増加しました。さらに大手メーカーの工場などが続々と周辺に進出し、草津エリア全体の不動産価値を高騰させてきました。
人口増加は、地域経済を活性化した一方で、資産を所有する者にとっては、土地・不動産を保有しているだけなのに価値が年々上昇し、相続をする段階になって、「資産承継」や相続税対策に初めて悩まされるといった問題が生じているのです。「信託」を活用することで、相続段階でバタバタとすることはありません。会社の未来、家族の未来を落ち着いて考え、将来確実に実行できる唯一の方法が「信託」なのです。
インバウンドの急増に伴う京都市内の地価の上昇
京都市では、2013年以降、訪日外国人観光客(インバウンド)が急増し、宿泊施設への需要が急激に高まりました。空地をはじめ、古い町家は取り壊され、そこにホテルなどの宿泊施設ばかりが建設されています。その結果、京都府が2017年に発表した府内の基準地価によると、京都市の商業地の上昇率は政令指定都市で全国1位となりました。中京、下京、東山の3行政区が地価上昇をけん引する状況は相変わらずで、この一、二年、新たに二条城周辺や丸太町通-御池通間の烏丸通周辺でもゲストハウスが次々と開業し、地価上昇は京都市全域で加速しています。
インバウンドは2020年の東京五輪を超えて、2030年までは増加の一途をたどるとの予測が国によって出されている。京都市も例外でなく、専門家(府内の地価変動に詳しい不動産鑑定士の森口匠氏)は、インバウンド観光が引き続き、京都市の地価を押し上げるとの予測をしている。これによって、京都市内の土地・不動産の価格が上昇を継続することは、「資産承継」や相続においてその税務対策の必要性が従来よりも増大していることも意味する。税務対策において税理士の専門性は不可欠であり、将来において実効性が高い「資産承継」のスキームを組み立てるには「信託」がベストな選択となる。